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医療を考える集い
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第35回医療を考える集い
【 眠 り 】
~あなたはちゃんと眠れていますか?専門家が語る良眠のコツ~
平成25年3月9日(土) 午後1時30分~午後4時30分
秋田ビューホテル・4階
入場無料
 みなさん、ちゃんと眠れていますか?

 わたしたちは日常生活の中で過ごす時間のほぼ約3分の1を眠りに費やしています。
 それだけに眠りは私たちの生活のなかで非常に大きな位置を占めているともいえます。
 ゆっくりすごしているときも、眠る暇がないほど忙しくすごしているときも、やはり毎日毎日眠りの時間は訪れます。
どうせ毎日訪れる眠りならば

 ① 布団に入ったら、スムーズに眠りに入りたい。
 ② 眠りに入ったら、ゆっくり心地良く眠っていたい。
 ③ そして目覚める時は、すっきりさわやかに目覚めたい。

 これが正直な気持ちではないでしょうか。
 しかし近年、肥満、飲酒などの身体側の要因に関係する睡眠障害や、ストレス社会、過労、携帯電話、テレビの見すぎなどの社会的要因に関係する睡眠障害などが報告されています。現代は良質な眠りを確保するのが、なかなか大変な時代といえます。

 今回の医療を考えるつどいでは、まさに暗い夜に無意識に経験する眠りに光をあてることで、なかなか思い通りにならない眠りについてみなさんと一緒に考える機会をつくろうと企画しました。
 みなさんと、当日会場でお会いできるのを楽しみにしております。そして、この会が皆さんの生活を良質なものにする一助になれば幸いです。

 多く皆様のご来場をお待ちしております。
プログラム
総合司会   秋田市医師会広報委員会委員  津 田 栄 彦
あいさつ    秋田市医師会長  福 島 幸 隆
祝   辞   秋田市長       穂 積    志 様
         秋田県医師会長   小山田   雍 様

-基調講演-
「眠りのメカニズムについて」 秋田大学医学部精神科学 准教授 神 林   崇 氏  


「知っておきたい『睡眠呼吸障害』という病気」 秋田市医師会広報委員会  委員 勝 田 光 明


-シンポジウム-    司会  秋田市医師会広報委員会 担当理事 田中 秀則   

シンポジスト
● 秋田市大森山動物園 園長
                               小 松    守 氏

● IFA国際アロマセラピスト連盟 認定セラピスト
                               安 田 昌 代 氏

総合討論・質疑応答


アンケート結果について 秋田市医師会会報委員会 担当理事 田中 秀則


アンケート結果
総合司会 (秋田市医師会広報委員会委員・津田栄彦)
 本日はお集まりいただきまして誠にありがとうございます。第35回医療を考える集いを始めたいと思います。司会を務めさせていただきます、秋田市医師会広報委員の津田と申します。よろしくお願いいたします。はじめに皆様にお詫びがございます。本日、基調講演をしていただく予定でした、秋田大学の小山崇先生が、急用で出席できなくなりました。代わりの基調講演を、秋田市医師会広報委員の勝田光明が務めます。また、シンポジウムの司会を勝田から、秋田市医師会広報委員会の田中秀則に変更させていただきます。どうかご了承願います。さて、今年のテーマは「眠りについて」です。普段の生活で欠くことのできない眠りですが、「眠れなくて・・・」と悩んでいる方も多いのではないかと思います。先日、電気屋さんに行きましたら、血圧計の隣に睡眠計というものが売られているのを目にしました。ご自分の健康に気を配られている方が増えているのと同時に、色々な要因でぐっすりと眠ることが難しくなってきた現代の一端を垣間見た気がしました。また、睡眠障害はうつ病等のほかに、心臓病、糖尿病等の色々な生活習慣病の発症に関連することが分かってきています。そこで今回は、健康の源と言っても良い「眠り」をテーマとしました。眠りに悩んでいらっしゃる皆さんの一助になればと思います。本日は基調講演の後、休憩を挟んでシンポジウムでは、動物の睡眠やアロマを利用したリラックス効果から、いろいろな角度から皆さんと一緒に眠りについて考えて参りたいと思います。休憩時間には、ハーブティーの試飲やアロマテスターを使った香りの体験ができます。また、皆様にお渡しした資料の中に質問用紙がございます。後半のシンポジウムの中の総合討論で、いくつかの質問を取り上げさせていただきますので、どしどしご記入をお願いいたします。3時半ごろを目処に改修させていただきます。それから、会の感想等をご記入いただくアンケート用紙もお渡ししております。こちらもご記入いただき、お帰りの際に回収箱に入れていただきますようお願いいたします。それでは、会を進めてまいります。まず最初に秋田市医師会長 福島 幸隆よりご挨拶をお願いいたします。
福島幸隆 秋田市医師会長
 皆さん今日は。秋田市医師会の福島と申します。本日は年1回秋田市医師会主催で、県医師会共催で市民の皆様向けの講演会であります「医療を考える集い」にご参加いただきまして、誠にありがとうございました。昨年12月上旬から雪が降り続き、3月に入っても吹雪があり、先週の土曜日には秋田新幹線の脱線事故まで起きました。東海道新幹線が開業した1964年以来営業運転中としては2例目ということで、なんとも不名誉なことです。昨年の冬も積雪が多く大変でしたが、今年はそれ以上で、平成18年豪雪に匹敵するのではないかと思っています。秋田市の除雪費用も過去最高になったようです。野球に例えますと、ことしの積雪は12月上旬から降り始めて先制点が奪われ、1月中降り続き中押しされ、2月中・下旬にだめ押しされたという感じで、冬将軍の一方的勝利でした。これだけ雪が降って、市民の日常生活に支障が大きいならいっそのこと、市民全員で冬眠に入ったほうが良いのではと夢想していました。よくSF映画で遠くの惑星に行くために、冬眠カプセルを服用して、宇宙船の中で仮死状態のようになって目的の惑星に近づくというのがあります。しかし、人間社会においては、熊のようにいかないのは当然で、この地で暮すからには止むを得ないと諦めざるを得ません。一説によりますと、地球温暖化が局地の冷蔵庫を開けたような状況を作り出し、秋田に強い寒気をもたらしているとのことで、毎年の除雪に備えて体を丈夫に保つ工夫をすることと、地球温暖化対策についても認識を新たにして積極的に取り組んでいかなければならないと考えておりました。
 さて、医療を考える集いも今回で35回を迎えることになりました。今年は「眠り」がテーマです。眠りはあまりに身近なテーマで、休日にゆっくり眠ったその夜になかなか眠れないという単純なものから、眠れないからうつになるのか、うつ病になったから眠れないのかという深刻なものまで、多彩です。いびきがひどくて、時々息が止まり、朝起きても疲れが取れないということもあります。最近は引きこもりで、昼夜逆転となっている方も多いようです。また睡眠薬の常用者では、飲まないと眠れないと思い込んでいる方も少なくないようです。眠りのテーマの中で是非聞いてみたいという中には、夢の分析があります。フロイトの夢には無意識が反映されているという精神分析学は、フロイトの死後70年以上経った今でも、脳科学はフロイトの理論の実証も否定も出来ていません。医師会主催の講演会というのは、やや硬いという印象をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、医学的に明らかになったものだけを皆様にご披露しているということもお分かりいただきたいと存じます。夢の話は大変面白いテーマではありますが、脳科学がさらに発展し、夢の実態が明らかになるまで、お待ちいただきたいと存じます。本日は睡眠に関してさまざまな観点から専門の先生方からお話を伺えますので、睡眠に関して普段疑問に感じている事が、少しでも解決できまして、安眠が得られます事を祈念しまして、挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
穂積 志 秋田市長 (鎌田副市長代読) 
 秋田市副市長の鎌田でございます。本日は市長が他の公務のため出席できませんので、市長に代わってあいさつを申し上げます。
 本日、多くの皆様のご参会のもと、「第35回医療を考える集い」が開催されますことを、心からお喜び申し上げます。また、秋田市医師会の皆様、そしてご来場の市民の皆様には、日頃から、秋田市政の推進にご支援とご協力をたまわり、厚くお礼申し上げます。
 さて、秋田市医師会におかれましては、毎年、地域保健活動の一環として、市民の皆様を対象に「医療を考える集い」を開催されており、今年は「眠り」をテーマとされました。
 心身の健康のためには、質の高い睡眠により休養を十分にとることが重要でありますが、最近、睡眠障害として様々な症例が報告されており、また、平成21年度に本市が実施した市民意識調査によっても、約20%の方が睡眠を十分にとれていない状況が明らかになっております。本日は、ぜひ、一生の1/3を占める眠りと健康について、じっくりと考えていただきたいと存じます。
 本市では、今後10年間の健康づくりマスタープランであります「第2次健康あきた市21」を今年度に策定し、市民が共に助けあいながら希望や生きがいを持ち、健やかで心豊かに生活できる活力ある地域社会を目指しております。
 元気な秋田市の原動力となるのは、市民の皆様一人一人の健康と活力であります。今後、市民の健康を皆様と共につくりあげていくことができるよう、地域や関係機関・団体と連携しながら、本計画を推進し、ここ秋田市の活性化につなげてまいりますので、ご協力をお願い申し上げます。
 結びに、今日の集いが実り多いものとなりますよう、また、秋田市医師会のますますのご発展と皆様のご健勝を祈念申し上げ、挨拶といたします。
小山田 雍 秋田県医師会長
 秋田県医師会の小山田と申します。今話題のTPPというものがございますが、最後のPはパートナーシップです。私どもは常日頃、医療は住民の皆様との共同作業がなければ成果はあがらないということを折に触れて申し上げております。時には苦痛も感じ、リスクを共にしなければならないこともある訳ですが、そういう時でも信頼関係があってこそ医療が成り立ち、成果が上がるものと思っております。そういう意味で、医療を考える集いは、住民の皆さんと正しい医療の知識を共有して、医療の成果をあげるために大変有意義な会だと思っております。本日の「眠り」というテーマですが、脳科学は最近盛んに言われておりますが、睡眠の科学ということを一つ取りましても大きなテーマとなり、色々と新しいことが分かってきているようです。一つ申し上げれば色々なホルモンが関係しておりますし、地球上における太陽の光を受けるということが大変関連しているようでございます。脳の一部から出るホルモンが眠りを引き起こし、安らかな眠りを生み出すことが分かってきておりますし、また、このホルモンは光によって抑制されるようです。従いまして、朝寝坊をしたり夜更かしをしたりして夜型の生活になって、夜の光をたくさん受けていれば、この安らかな眠りを生み出すホルモンが抑えられ、逆に、朝早起きをしてすがすがしい太陽の光を十分に受けることにより、日中の好ましいリズムが生まれると言うことです。しかし現代社会は夜型になっておりますし、子供から高齢者までなかなか一日のリズムが作りづらくなっております。そこで、眠りをどうやって安らかにするか、どうやって生活習慣に反映させるかというテーマは大変有意義であり、期待をしているところであります。秋田県医師会は住民の皆様と共に歩み、同じ土俵で同じ視点でものを考え、そして正確な情報を共有して皆様の信頼を得ながら、医療を確保し、医療を発展させていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
- 基 調 講 演 -
「眠りのメカニズムについて」

「知っておきたい『睡眠呼吸障害』という病気」
- シンポジウム -
司会(秋田市医師会広報委員会担当理事・田中秀則)
 秋田市医師会の田中です。皆様、基調講演はいかがでしたか。最初は健康と眠りの問題について話を伺いました。次は少し趣向を変えまして、シンポジストの先生方からお話しを伺いたいと思います。まずは、秋田市大森山動物園園長の小松守様、よろしくお願いいたします。

園内動物の睡眠(冬眠やおもしろい寝相)
 動物園動物(※)の健康管理、その基本を私は「食」と「環境」の二つだと考えています。「食」はバランスのとれた餌を、時々に欲しいものを、飽食させずにあげることです。動物も腹八分。「環境」は、動物に適した温度、湿度などの物理的条件で、適度の運動(採食、防御、・・・)が可能であり、動いた後の体を休め、ゆっくり眠れる空間を保障してあげることです。
「食」と「環境」が保障されている動物園動物は、野生(自然界)と比較して、どちらかと言うと健康で、長く生きられるのです。餌が確保でき、外敵や気象条件からもある程度守られている動物園動物たちは、楽園で暮らしていると言っていいでしょう。「動物園の動物はいつも寝てばかりで、つまらん」、これは、大事に守られ、安心して暮らしている証拠でもあります。
動物にとっても「眠り」は大切であること、だからこそ、動物にはそれぞれに「眠り」のスタイルがあること、などについて、大森山動物園ミルヴェの仲間たちの寝姿をご覧いただきながら、ご紹介したいと思います。
長時間、餌を食べ続けなければならない大型草食動物のゾウはまどろみの睡眠、神経質なキリンも安心すると座っての寝姿を見せ、貯め食いのできる暇なライオンなどの大型肉食動物は、どこか憎めないリラックスした寝姿である。樹上のお猿さんはこれで熟睡できるのと心配になるような寝姿、海の王者海獣もアシカはなぜか枕がお好き?、仲間との生活に神経を遣うチンパンジーの寝姿にはご苦労さんと言ってあげたくなる、・・・などなど、本当に様々です。
動物たちの寝姿に「癒し」を感じ、あるいは、人の生き方を重ねてみては如何でしょうか。「眠り」のシンポ、ちょっと楽しくなるお手伝いができれば嬉しく思います。

(※)動物園動物:動物園で生まれた野生動物で、本来の野生動物とは区別されています。
司会

司会 ありがとうございました。本当に面白い映像ばかりでした。続きましては、「心地よい眠りを誘う方法」というテーマでIFA国際アロマセラピスト連盟 認定セラピストの安田昌代様よりプレゼンテーションをしていただきます。よろしくお願いいたします。
心地よい眠りを誘う方法
司会

司会 安田先生、ありがとうございました。さて、これからは総合討論と、皆様からご記入いただいた沢山の質問票について、先生方からお答えいただきたいと思います。
総合討論・質疑応答

司会 今日は様々な角度から眠りについて話していただきましたが、神林先生、動物の眠りについてどんな感想をお持ちですか。

神林氏 まず、眠っている動物の写真やムービーをあれだけ集めるのに園長さんはじめ皆さんご苦労されたのではないかと思います。キリンの映像で、首がガクッと落ちている時はレム睡眠かと思いますが、首が長すぎて睡眠時無呼吸症にならないのかと心配になりました。あとは、草食動物としては食べるための時間を長く取るので睡眠時間が短く肉食動物は逆というのは知識としてありましたが、それがよく分かる良い写真が沢山あって感動しました。

司会 勝田先生はいかがでしたか。

勝田氏 キリンは血圧が高いという話を聞いていて、自分の心臓よりも頭を下げると脳出血のリスクがあるのかなと思いながら見ていましたが、キリンが寝ている映像はテレビでも見たことが無く、動物園には我々の知らない世界がたくさんあるなと思いました。もう一つは、例えば人間はご高齢になってきたときに昼夜逆転現象が多いと思うのですが、元々動物は日中の日が高い間の方が安心感があり、夜は襲われる危険があるから起きていて、人間自体も何かのブレーキが外れたときに、昼夜逆転現象が表れるのかなと思いました。

小松氏 動物の生活は昼夜逆転が多いです。なぜかというと動物は食べる・食べられるの関係で、日中に安心して動ける動物というのは猿や巣の中に入っていける一部の動物に限られ、その他のほとんどの動物は夜行性です。それを取る側の肉食動物も夜行性になります。ですが、基本的には夜眠る方が多いです。

司会 小松園長の話だと冬の寒いときは猿があまり寝てないということでしたが、そこについてもう少しお聞かせください。

小松氏 私たちも改めて「眠り」というものを見たときに、猿山では、季節の良いときは本当にゆったりと寝ていますが、寒いときはじっと耐えるように身を寄せ合っています。ある意味で人間とは違って、自然に馴染んだ形で寝られる体制を持っているのではと感じます。私も睡眠について研究はしていないのですが、四季によって眠りの深さが違ってきているのではという感じを受けます。

司会 今年は冬山での遭難事故も多かったわけですが、冬の猿山について神林先生、どう思いましたか。

神林氏 写真を見ながら、暖房をつけてあげてほしいなとは思いました。冬の遭難はそれとは直接関係ありませんし、あまり詳しくはないですが、強風を受けていると眠るように意識を失っていくこともあるようです。また、小松園長もおっしゃっていましたが、熊の冬眠は、普通の睡眠とはかなり違っていて、基本的には覚醒状態でその中に短い睡眠があり、体力の消耗を防いでいるとのことです。冬山で遭難された方は本当に気の毒と思いますが、人間は動物のようにすぐに冬眠することができないので、そのような状況にならないような暖房や準備が必要だと思います。

司会 どうもありがとうございます。さて、それでは会場の皆様からのご質問に移りたいと思います。まずは安田先生へ「市販されているスプレー式の芳香剤ですが、これは効果があるのでしょうか」との質問です。

安田氏 広い意味ではアロマではありますが、アロマセラピーで使うアロマは人工的な成分が入っていない物を指すので、人工的な成分が入っていると、100%自然の物より効果は期待できないと言われています。

司会 続いて、神林先生にお聞きします。「寝る前に水を飲んだ方が良いという意見もあるのですが、トイレが近くて睡眠障害になる場合はどうしたらよいでしょうか」との質問です。

神林氏 加齢と共に夜間のトイレの回数が増える場合が多いのですが、夜中に二回ぐらいであれば致し方ないかと思います。三回以上になると睡眠にも影響が出てくると思いますので、頻尿の治療も並行して行うと良いと考えています。

司会 次は勝田先生に「睡眠呼吸障害(SAS)は、秋田市、または県内ではどういう所を受診すればよいのか」という質問が沢山来ています。

勝田氏 秋田県全体でも、比較的簡易な検査をされている先生は多くいらっしゃいます。ただ、最初から一番最後のハードな治療を望むことはあまり好ましくありません。全く違う所見で睡眠時無呼吸症かもしれないと不安に思うこともあるので、まずは本当に睡眠時無呼吸症かどうかをかかりつけの医師に相談して、そこから専門の医師に紹介してもらうのが良いかと思います。

司会 勝田先生に更にお聞きします。「寝言やいびき等、どのような症状があったときに医師に相談すればよいのか」という質問です。

勝田氏 実はSASは、秋田市ではおそらく8千人、県内全体では2万人いると言われています。ただし、軽症なものから重症なものまで含んでいますので、やはり主治医に相談していただければと思います。簡易な検査は比較的多くのクリニックや総合病院でやっている所があるので、「気になる」という状態になったら相談されると良いかと思います。

司会 小松先生への質問です。「動物に不眠はあるのでしょうか」

小松氏 動物には精神的な悩みがあまり無いと思いますので、人間の考えるような不眠はおそらく無いと思います。ただ、条件が悪くなると、不眠というよりもぐっすり眠れない状況に陥ってしまい、それが生理的に耐えられないという状況になったとき、色々な障害が発生したり病気になったりします。冬の猿山のようなものは、四季の中で生き抜いていく訳ですから、かえって暖房をしないことが必要だと思います。これは余談ですが、多摩動物園の雄のジョーというチンパンジーが、群れをまとめるのに心労が重なって元気がなくなったときに、飼育係が夜、動物園が閉まってから対話をしながら晩酌をしたそうです。今日、眠りにお酒は良くないという話はありましたが、そのチンパンジーは眠りが深くなって、ぐっすり眠れて元気になったという例もあります。

司会 続いて安田先生に「アロマオイルはいくらぐらいですか、高いのですか」という質問です。

安田氏 安い精油だと1,000円前後です。高い香りだと、バラの精油が2mlで2万円ほどします。でも優雅な香りですし、バラの香りをかぐと、皆さんの感激の度合いが違います。

司会 ぜひ試してみたいと思います。さて、次は一番多い質問です。「現在、睡眠導入剤を飲んでいるが、飲み続けても良いのか」というものです。神林先生、いかがでしょうか。

神林氏 現在多くの種類の睡眠導入剤があり、飲んでいる方も多いかと思いますが、現在の睡眠導入剤は安全性が高いので、頑張ってやめることに労力を割くよりは、日中より良い生活を継続できることを重視した方が良いです。1950年代頃にはバルビツレート系の睡眠導入剤が使われていて、マリリン・モンローが自殺したともありますし、同じ頃、サリドマイドという薬も使われており、これは催奇形性があったために妊婦が飲むと奇形の子どもが産まれるという問題もありましたが、今のお薬は全然違います。頑張ってやめるということを考えなくてもまず大丈夫ですし、連用していると呆けてしまうのでは、という質問もあったようですが、加齢とともに物忘れが増えてくることはありますが、薬が原因で呆けるということは無いと思います。

司会 勝田先生、SASがある場合に睡眠導入剤を使用するのは危険性等はあるのでしょうか。

勝田氏 SASがある場合、睡眠導入剤を投薬するとSASの症状が悪化する方もいます。例えばパートナーに「いびきをかいているよ」と言われたり、いびきをかいて起きてしまったりする場合は、一度検査をされると良いでしょう。先ほどお示ししたCPAP療法をしている場合は呼吸のアシストができるので、たとえ睡眠導入剤を飲んでいても心配はありません。

司会 小松園長にお聞きします。睡眠というと夜ですが、大森山動物園では「夜の動物園」という企画をされています。どういう楽しみ方があるのでしょうか。

小松氏 動物にとって真昼と真夜中はあまり良くないので、薄暮性が多くなっています。これは夕暮れ時と朝方に特に活発になることで、夜の動物園は、睡眠をご覧になっていただくというより、夕暮れ時に活動している様子をご覧になっていただきたいという企画です。ただ、夜の動物園はライトを照らします。そうすると、いつもは日が暮れたら眠りにつく猿たちも少しリズムが狂ってしまい、人間が夜型になるように引きずられることもあります。

司会 続きまして、安田先生、「アロママッサージというのは、秋田市でもやっているところは多いのでしょうか」という質問です。

安田氏 個人のサロンはたくさんあると思いますが、大きいところでは、本格的なアロマセラピーをやっているところはあまり見かけないと思います。

司会 次は、神林先生に「子どもの不眠について詳しく知りたい」という要望が届いております。

神林氏 子どもの不眠というより、睡眠時間が遅くなっているということだと思いますが、幼稚園に行く前の子どもの方が、睡眠時間が遅めというデータがあります。幼稚園に行くというメリハリが無いので、親の生活に引っ張られて夜更かししてしまうお子さんが多いです。幼稚園に行くようになると、朝決まった時間に起きるので早寝になるということが一つありあす。また、小学生高学年でも夜の10時、11時まで起きている人がけっこういるという時代になってしまいましたが、それは親の生活時間に引っ張られている部分が大きいので、可能であれば子どもと一緒に早めに寝て、親はその分早起きする等しないと「早く寝なさい」と言うだけでは子どもはなかなか寝ないと思います。先ほども言いましたが、普段寝る時間の2時間くらい前が一番覚醒度が上がります。私も高校生のときは勉強が捗り始めるのが夜で、寝る時間が遅くなりがちでしたが、結局、翌朝起きられないということがよくありました。長期的に見て、睡眠時間を確保しないとまずいということを理解して、ある程度の時間になったら寝ることを心がけ、特に小さい子どもを早く寝かせたいなら、一旦一緒に寝て親は後で起きたり、一緒に寝て早起きたりすることが一つの手段かと思います。

司会 インターネットやスマートフォンが普及し、寝る前に見ている方も多いでしょうし、私も好きなのですが、それは眠りに影響はあるのでしょうか。

神林氏 眠れるのであれば大丈夫ですが、それによって睡眠時間が徐々に遅くなってしまうということであれば控えると良いでしょう。パソコンの明かりというのは実はあまり明るくなく、テレビの方が明るいくらいです。ですが、パソコンは距離が近くなりますので、不眠がある方は控えた方が良いです。

司会 続いて、フロアからご質問を受けたいと思いますが、何かございませんか。

質問A よく新聞や雑誌に安眠枕というような広告が載っていますが、こういう枕を使うとよく眠れるのでしょうか。

神林氏 広告の枕がどういう枕かは分かりませんが、確かに様々な枕が市販されています。枕は仰向けに寝るときと横向きに寝る時で理想的な高さが異なりますし、また、低反発枕だと夏は暑苦しいけれど冬は暖かくて丁度良い、といったことがあります。この場で一概にこの枕が良いとは言えないので、ご自身でお試しいただいて結果を教えていただければと思います。

司会 神林先生、「睡眠学習は効果がありますか」という質問がきています。寝ている間に英語を聞くだけでマスターできる、というようなことはあるのでしょうか。

神林氏 そうだったら理想的ですが、残念ながらそういうことはありません。ただ最近の研究で、睡眠中に音を聞かせて、それを翌朝に再現できるかを実験したところ、無意識の中でも少しは記憶にとどまっているようです。ただ、寝ている間に英単語が繰り返し流れているというのは、不眠にこそなれ、単語を覚える効果は現状では無いと言うことになっています。

質問B 私の眠る時間は3時間なのですが、これは短いでしょうか。

神林氏 もし3時間の睡眠で日中の活動や生活に問題が無いのであれば、無理に6時間~8時間寝なければならないということではありません。平均的には7時間くらいで、多くの方はそこからプラスマイナス2時間程度、5時間から9時間の睡眠を取っているということです。睡眠時間が短いから、あるいは長いからそれがダメということではありません。

質問C 日野原先生はうつぶせ寝で睡眠を取っているという記事がありましたが、うつぶせ寝は健康に効果があるのでしょうか。

神林氏 動物の中で、仰向けで寝るのはおそらく人間だけと思います。うつぶせ寝の方が、気道が確保されて睡眠時無呼吸症にもなりにくいですし、そういうことで日野原先生もうつぶせ寝をされているのかもしれません。ただ、現状としてうつぶせ寝のための寝具は非常に限られており、ベッドに穴が空いているような寝具になりますが、一般の方が手に入れるのは難しく、うつぶせ寝が一般化するのは難しいと言えます。類似するとすれば、横向きで、ややうつぶせ気味で寝ることです。睡眠時無呼吸症の方で、姿勢を変えることで無呼吸を防げるということを体感的に感じていて、うつぶせ寝をしている方もいます。もう一つ、生まれたばかりの赤ちゃんは、呼吸や心臓が止まってしまうことがごく稀に起こりますので、仰向けの方が安全と言われています。

司会 まだまだ質問も尽きないと思いますが、そろそろお時間となりました。ここでご来場の皆様に4人の先生方への盛大な拍手をお願いいたしまして、シンポジウムを終了させていただきたいと思います。

総合司会 田中先生、またシンポジウムの先生方、どうもありがとうございました。本日は様々な視点から「眠り」を考えてみました。是非、今日のこの会が皆様や皆様のご家族のより良い眠りの一助となることを期待しています。本日はどうもありがとうございました。





アンケート結果について 秋田市医師会広報委員会 担当理事 田中 秀則

『第35回医療を考える集い』への参加者は、会場が満員となる345名の方に参加して頂きました。これは、今回のテーマが「眠り」で、ストレスが多い現代社会では、関心が高いものを取り上げたこと、また、今回初めて、新聞による広告を掲載させたことで、より認知度があがったものと考えています。また、アンケートも149名(43%)の方々から寄せられ、改めて『医療を考える集い』への期待の高さが、わかりました。
 
1. 年齢、性別について
参加者の47%が、70歳以上であること、また、女性の参加者が、73%でした。アンケートの感想欄には、老人性痴呆、高齢化を取り上げてほしい、等、高齢者よりの希望、感想が多かったのですが、動物の睡眠については、男女、年齢を問わず、楽しめたようです。今後も、このような話題を取り上げていきたいと思います。

2. 参加回数について
初回が、72%と高い傾向でした。これは、やはり、新聞広告、告知記事、テレビでのイベント告知等で、広く本会が認知されたおかげと、考えています。一方、5回以上参加しているリピーターの方も、5%存在し、長く愛される「医療を考える集い」も考えていく必要があると思います。

3. 評価
基調講演は、第二講演予定者が、急用で変更しましたが、「とてもよかった」「よかった」が、89%と高い評価を得ることができ、満足しております。感想欄をみても、第二基調講演者の評価は概ね良好でした。また、シンポジウムも、「とてもよかった」「よかった」が、75%と良好な結果でした。

4. まとめ
秋田市では、多くの医療イベントが数多く開催されております。その中で、『第35回医療を考える集い』が、埋没せず、伝統を守り、さらに進んでいけるかが、もうひとつのテーマでした。この一日のために、がんばって頂いた、広報委員会委員の皆様、事務の皆様のご努力に対し、心から感謝いたします。
参加者アンケート 感想・意見・テーマについて

ご自由に感想、ご意見をお聞かせ下さい。また、今後取り上げてほしいテーマがありましたら、お書き下さい。


① 講演者は各説明資料配付により行った方がいいのではないか。(70歳以上・男性)

② 大変参考になりました。次回も期待しています。(70歳以上・男性)

③ 今後取り上げて欲しいテーマ:「老人性痴呆」「高齢県№1の秋田の現状と今後の取り組み」(70歳以上・男性)

④ a.医学用語ではじめて聞く.医学用語ではじめて聞く「サース等」にもっと説明には具体的になるような時間の配分がほしかった。
   b.放射能、黄砂、有害な排ガス等の飛来加速は、大きく取り上げられていますが、これらと良好な睡眠と関連はどうでしょうか。(70歳以上・男性)

⑤ パネリストに配慮した話題も良いが、今日の参加者の中には悩みなどを抱えた質問もあったと思われるので、できるだけそれを取り上げたシンポジウムであったらと感じた。(70歳以上・男性)

⑥ 動物の話しgoodであった。(70歳以上・男性)

⑦ 基調講演は、今後の生活にとても参考になりました。シンポジウムは、動物の睡眠について、興味深く、楽しく聴講できました。(70歳以上・女性)

⑧ 高齢者でも出かけられるように季節のよいときになるべく開催してください。(70歳以上・女性)

⑨ 専門的な解説を教わり、納得いたしました。動物たちの寝姿、愛らしかったです。(70歳以上・女性)

⑩ 基調講演では二番目の方(勝田光明氏)が声が大きく(声量がある)よくわかった気がする。シンポジウムの動物の睡眠はおもしろかった。ハーブの効用はよくわからない。思い込みかもしれませんが。(70歳以上・女性)

⑪ 加齢と共に睡眠について非常に大変です。自己流の方法で納得して毎日の生活をしてきましたが今回の講義が非常にプラスになりました。次回を楽しみにしています。休憩時の飲み物も私は飲めなかった。高級品は合わないのです。(70歳以上・女性)

⑫ 動物園のお話しとても楽しく見ました。(70歳以上・女性)

⑬ アロマセラピーの話は聞きにくかった。もう少しはっきりと。動物園のお話はよかった。(70歳以上・女性)

⑭ 急な変更のため、勝田先生、セラピストの安田先生のレジメがないのが、残念に思われました。(70歳以上・女性)

⑮ 来年度は3月でお願いします。(70歳以上・女性)

⑯ 今後取り上げて欲しいテーマ:耳の病気について(60歳代・男性)

⑰ シンポジウムでのトークはフランクな感じで聞くことが出来ました。おもしろいと思いました。(60歳代・女性)

⑱ 大変参考になる講演でした。ありがとうございます。私もラジオ体操毎日行っております。(60歳代・女性)

⑲ 心地よい眠りを誘う方法は、もう少し具体的に聞きたかったです。たとえば軽い運動とか。(60歳代・女性)

⑳ スライドによりとても説明が良かった。(60歳代・女性)

㉑  おかげさまでSAS(サス)という言葉を覚えました。今後取り上げて欲しいテーマ:「うつ病について」「発達障害について(孫がそうです。私はひどく心配です)」(60歳代・女性)

㉒  一般人にも判りやすく説明いただき有意義な時間を過ごせました。ありがとうございます。今後取り上げて欲しいテーマ:膀胱、頻尿の対処方法です。(60歳代・女性)

㉓  アロマの資料があれば良かったです。(60歳代・女性)

㉔  アロマセラピーは多種すぎ、長すぎた。全部紹介しているが、ポイントぼやけた。(50歳代・男性)

㉕ 忙しい診療の合間に、このように県民のために時間を割いていただいていることに感謝いたします。初めての参加でしたが、これからも是非参加したいと思います。35回目にもなっていることに驚きました。これまで参加できなかったことで損をしたような気持ちで残念です。ありがとうございました。(50歳代・女性)

㉖ アロマの話はもう少し眠りとの関係に絞った方がよい。今後取り上げて欲しいテーマ:「ターミナルについて」「精神病について(認知症以外)」(50歳代・女性)

㉗ 勝田先生のお話の内容、話し方がとても聴きやすく、わかりやすかったです。子どもが小さいときは動物園にも行きましたが、ここ何年も行ったこともなく今回園長先生のお話・写真を見てまた行ってみたいと思いました。(50歳代・女性)

㉘ 睡眠というテーマをいろんな角度から見て、いろんな講演を聴くことが出来てとても勉強になりました。次回もしも同じような時期に開催されるとしたら、今後取り上げて欲しいテーマ:防災と医療を絡めたテーマなんていかがでしょうか。来年は震災から3年、そろそろ風化してくるころ?(40歳代・女性)

㉙ ハーブティを置いていてとてもリラックスして参加することが出来、明日への活力を養うことが出来て良かった。動物園のお話もとてもよかった。(40歳代・女性)

㉚ 今日は学校から配布されたリーフレットを見て参加させていただきましたが、参加者がご高齢の方たちばかりでびっくりしました。もう少し若い方にも興味をもっていただきたいものだと感じました。(30歳代・女性)

㉛ 眠りについて考えるよい機会となりました。アロマを試してみたいと思います。(30歳代・女性)

㉜ 全ての講演の資料が欲しかったなあと思いました。魅力的なスライド画がありましたので、メモするのは大変でした。(30歳代・女性)
 
㉝ 今後取り上げて欲しいテーマ:治験・臨床研究について取り上げてください。(30歳代・女性)

㉞ 夜遅くまで起きていますと、勉強などを覚えが良くないということがわかったのと、夜遅くまで起きていますと糖尿病になりやすいということがわかりました。本当に、どうもありがとうございました。(30歳代・女性)

㉟ 今後も睡眠障害のシンポジウムを開いて欲しい。(20歳代・男性)

㊱ 全体に盛りだくさんかと思った。シンポジウム最後のセッションは、パネルデスカッションというより「質問応対とフリートーク」というものかと思う。これはこれでいいとは思うが、プログラムの紙からは流れが見えにくい。プレゼンで配付資料ありなしそれぞれだったが、ワンペーパーでもあると話が見通せると思う。(20歳代・男性)

㊲ 今後取り上げて欲しいテーマ:「大腸検査について」内視鏡検査のメリット・デメリットについて詳しく知りたいです。(20歳代・女性)

㊳ ポスターを見てこの集いのことを知ったのですが、ホームページにあまり詳しい情報が載っていなくてわかりにくかったので、ネットの情報を充実させてもらえるとありがたいです。(20歳代・女性)