血球数検査
1)赤血球数
①貧血の場合、重要なのはヘモグロビン値です。成人の男性の場合はヘモグロビン値は変動の幅が狭い。月経のある女性は出血量、食事内容などにより個人差が大きい。日常生活ではヘモグロビン11.0g/dl
以上あれば、ほとんど支障はありません。しかし、血清鉄やフェリチン(貯蔵鉄)の低下が明らかであれば、鉄欠乏性貧血ですので、鉄剤の服用をお勧めします。普段よくみられる貧血は鉄欠乏性貧血ですが、原因を調べることが大事です。成人男性でこのタイプの貧血がみられたら、消化管の癌と痔を考えなくてはなりません。
②多血症の場合、ヘモグロビン値よりもヘマトクリット値が重要な指標となります。ヘマトクリット値が54%以上の場合を多血症と言います。多血症には3種類あるが、よくみられるのはストレス多血症です。肥満体の中年男性で、かつ喫煙者によくみられます。血液粘度が増加して血栓を作りやすくなるため、普段から脱水状態にならないように十分な水分補給が必要です。
2)白血球数
白血球は3000~9000/μl が正常ですが、普段から2000代くらい、あるいは10000~11000/μl
ほどで推移している方もいます。あまり変動なければ精密検査は不要ですが、徐々に減少あるいは増加傾向がある方は精密検査が必要です。
3)血小板数
血小板は出血を止めるために必要な成分です。10万/μl 以上であれば正常です。3万/μl
以下になると自然に皮下出血や鼻血、歯肉出血が現れます。また、肝臓病の病勢を表す指標にもなっています。(病勢が進むと血小板は低下します)
|