司会 基調講演をいただいた本橋先生、5名のシンポジストの先生方に、この場で質問・意見がございましたら遠慮なくいただきたいと思います。
質問A 3年前に前立腺がんで手術を受け、その5ヶ月後に大腸がんで手術を受けましたが、今後心配なことはがんが何処に転移していくのかです。膵臓がんにかかると大変だということも聞いていますが、教えていただきたいのですが。
土谷氏 前立腺がんの手術に関しては、おそらく早期のがんかそれに近いがんだと思います。発見の時点で転移があった場合は、おそらく再発してもおかしくない時期ですが、そうでないとすれば、今後再発してくる場所は、転移で見つかるものではなく、局所で見つかる可能性が高いと思います。早期で見つかった場合は、再発する可能性は非常に低いと思われます。PSA検査は、がんの診断だけではなく、治療の経過を観察するためにも非常によい検査ですので、PSA検査を率先して受けていただきたいです。
山野氏 がんの程度により違いがありますが、一般論として局所再発といって、手術した場所あるいは、周囲のリンパ節、もう一つは肝臓・肺という他臓器に発生する場合があります。ただこれは、事前に予測することは非常に難しいです。前立腺がん程ではありませんが、大腸がん検診では腫瘍マーカという血液での検査ができます。また、画像診断等があり、1年あるいは半年に1回定期的に検査を受けることがよいのではと思います。膵臓がんを診断するのは非常に難しい。いかなる検査をしてもなかなか見つけることが難しい疾患です。
また、専門の先生に定期的に超音波検査を受ける機会を持つことも1つです。
質問B 父親、兄弟が食道がんで若くして亡くなっていますが、自覚症状が無く診察を受けた時は末期状態でした。食道がんの自覚症状、検査方法、早期発見、予防法について伺いたいのですが。
鈴木氏 自覚症状としては、物が詰まる、つっかえるなどです。水は大丈夫なのですが、ご飯等はつっかえて吐いてしまう。これが食道がんに特徴的な症状です。症状が出た時の食道がんは進行がんです。食道がんは、周りに心臓・肺・大動脈等非常に命に関わる大切な臓器に囲まれているので、進行がんになってしまうと、手術では手遅れ、抗ガン剤が効かない状態で、非常に短い期間で亡くなる方が多いがんです。早期発見のために、毎年1回、自分の誕生日でもいいですので、定期的に内視鏡検査(カメラ)を受けていただきたい。予防としては、お酒、たばこはやめましょう。
山野氏 お酒を飲んだとき、顔が赤くなったり、青くなったりする方は、お酒を分解する酵素に異常があるので、お酒はやめるべきです。
質問C 甲状腺がんになり声がでません。講演で大変参考になるお話を伺いましたが、お願いがあります。難しい医学用語での説明ではなく患者の立場にたってわかりやすく説明していただきたい。また相談できるような機関が欲しいです。
橋爪氏 我々自身ももっと時間があればと思っているのが率直な感想です。主治医が説明が必要だと思うときは時間を取るが、患者さんが説明を求めているかどうかということが、伝わらない場合がありますので、患者さんの方から主治医に対して時間を作ってくれないかと話をしていただきたい。主治医(かかりつけ医)と患者さんのコミニュケーションを密にする必要があると思います。
寺田氏 「相談をしたい、相談を受けたい」という事に関しては、現在、国で4月から新しいシステムを作ろうと動いてきています。先ほどの橋爪先生の話は大変よい話で、もっともなことですが、現実問題として病院の医師は大変忙しい状態にあります。そのことを皆さんも少しわかっていただきたいと思います。主治医の他に相談医を是非持っていただきたいと思います。相談医はかかりつけの医師でもいいんです。何かの時に相談する医師を是非もっていただきたいと思います。
三浦氏 人の一生の最後の部分に係わる大きな問題ですので、短い時間の説明でわかるということは非常に難しいことです。そのため、やはり夜の8時過ぎに十分な時間をとって患者さんに説明すべきです。しかしその時間は患者さんから指定された時問ではなく、実際は診療を終えてからになります。多くの病気の原因にたばこが関与していますので、患者さんにも責任はあることだと思います。医師と患者、家族が病気に対して協力しあって良い方向にもっていきたいと考えています。
総合司会 がんの予防、早期発見に対して、今すぐにでも実行できる話が沢山ありました。来年も皆様に少しでもお役にたてる会を開催いたしたいと思います。長い時間ありがとうございました。