コロナ禍により「新しい生活様式」が求められるようになりました。外出自粛やテレワークの普及により在宅時間が増え、その癒しを求めるためにペットを飼う家庭も増加しているそうです。その代表である犬ですが、本来は仕事をする動物です。その3大能力「嗅覚」、「頭脳」、「習性」を生かして様々な分野で活躍しています。 犬の「嗅覚」は人間の100万~1億倍と言われています。麻薬探知犬や警察犬などが代表的ですね。ジャーマンシェパード、ドーベルマン、ゴールデンレトリバーなど鼻先が長い犬のほうが嗅覚能力はいいそうです。その能力は臭気選別能力、足跡追及能力と言われ、地震、水難、山岳救助など災害時にも活躍しています。最近ではガン探知犬、低血糖探知犬、DVD探知犬などより専門性の高い仕事をしている犬もいます。 犬がとても頭がいいのはご存じと思いますが、その「頭脳」は人間の3歳児以上とも言われています。盲導犬や聴導犬が代表的です。文字通り不自由な方の目となり耳となり日常生活を支援します。目的地に到着するまで障害物や危険を察知して寄り添う、生活音や危険音を知らせるなど頭脳明晰な事を感じさせます。また障碍者と生活を共にする事により愛情の対象として心の支えになるという役割も重要です。セラピードッグとして人の心に安らぎを与えるのも最近注目されています。 犬の祖先はオオカミと言われていますが、「イヌ」という別の動物となった今でもオオカミ時代の「習性」をたくさん持っています。牧畜犬は自分のテリトリーや仲間を守るという習性、猟犬は狩猟本能や持来欲(くわえて持ってくる本能)という習性を生かした仕事です。競争犬は動くものを追いかける習性、闘犬はテリトリーに入ってきた外敵を攻撃するという習性を利用しています。 色々なお仕事をして社会貢献をしている犬ですが、癒し≒セラピーと考えればどんなペットでも社会貢献していると思います。ところが飼う家庭が増えたのと同時に捨てられてしまうペットが増加していることが問題となっています。最近テレビCMで「ペットを捨てることは犯罪です。」と警告しています。実際に動物愛護法でペットの遺棄は刑法上「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」とされています。私自身愛犬家ですので、捨てる人の心理は解りません。ペットを迎える際、飼い主に何より求められるのが「終生飼育」、亡くなるまで面倒を見るということです。その環境があるのか、覚悟があるのか、飼うことが自分の年齢、体力、経済力に見合っているか、それを真っ先に考えるのは至極当然であり最低限の責任です。コロナ禍はその責任をも容易に奪ってしまいます。いち早く収束することを願うばかりです
|