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<春夏秋冬>

発行日2018/09/10
中通総合病院  大門 葉子
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絵画教室一年生
 
  いつまで続くの、という酷暑の夏の記憶も徐々に遠のいて、秋がもう、すぐそこまで来ています。いつもであれば秋は(秋も?)読書の秋、食欲の秋とまったりのったり過ごしているのですが、今年はカウチポテトの秋を返上して芸術の秋に挑戦なのです。
  最近思い立ってカルチャースクールなるものに通っています。「大人の部活」などという言葉がありますけれど、まさに大人女子もっというと中高年女性の文化系サークルです(男子もたまにいらっしゃいます)。探究心とバイタリティにあふれ、そして何より楽しそうです。
  概して習い事というのは続かない傾向にあるのは私だけでしょうか。子供の頃ならピアノ。お決まりの英会話。生涯スポーツになるはずだったゴルフも。だんだん熱が冷めてきたり、稽古場に通うのが億劫だったり、進歩がないのにがっかりしたり、理由はいろいろなのですが。
  さて今回は続くのか、数あるお教室のうち私の通う講座はボタニカルアート教室です。一言でいえば「植物学的な絵画」、図鑑で見るような植物の精密画を学びます。日本では明治時代の植物分類学者、牧野富太郎博士が有名で、とても緻密で正確かつ美しく、構成も素敵な植物図はどこかでご覧になったことがあるかもしれません。一方、西洋のボタニカルアートは色合いが華やかでダイナミックです。種の形態の特徴を捉えて、花だけでなく茎や葉の付き方を忠実に、根や実なども、実物大に描きます。写真の撮影や加工が簡単で多様になっている現在ですが、写真とはまた違った魅力があるのです。
  とりあえず入門編は講師の先生のテキストのパンジーの絵の模写からです。デバイダを使って正確に写します。デバイダはCTやMRI画像がフィルムだった頃、コマの右端についているスケールに合わせて腫瘍や血管の径を計測するのに使ったもの。放射線科の便利グッズでした。買うと結構高いので、捨てずにとっておいたのがお役立ちです。とはいえそうそううまくは写せません。花を大きく描きすぎて茎が折れそう。何のためのデバイス。気を取り直して次に彩色です。読影レポートもパソコン入力になって久しく、ペンですらご無沙汰の毎日。筆を持つ手が震えます。進む老眼も困りもの。花の輪郭から色がはみ出ます。これも以前、マンモグラフィで微細石灰化を観察する為に購入したはずのルーペで対応です。根気があれば感性や独創性に恵まれなくてもと始めてみたものの、これがなかなか。植物にあまり詳しいとはいえないところも問題です。パンジーとビオラの違いもよくわかっていないかも。これからこれから…。
  「どのくらいで上手になれますかね」との私の質問に、先輩のお姉さまは「始めたばかりの人は同じ質問するわね、ほほほ」と。
  ともあれ鋭意努力中、の夏の終わりです。
 
 春夏秋冬 <絵画教室一年生> から