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<春夏秋冬>

発行日2018/05/10
並木クリニック  並木 龍一
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Babe Ruth & Shohei Ohtani
 
  今、MLBでShohei Ohtaniが「ヤバい(Cool)」です。100mileの速球を投げ500feetのホームランを打つリアル二刀流、「amazing!」「unbelievable!」を通り越し「not from this planet」とまで形容されています。「It’s Sho time!」は今や彼の登場のアナウンスとして定着しました。メディアでは「The Japanese Babe Ruth」としてよく比較されるBabe Ruthですが、ピッチャーだったことは日本ではあまり知られていないと思います。少年院時代に野球と出会いその才能を見出されMLB入りし、不滅のホームランバッターとなったというのが皆様の読んだ伝記物だったのではないでしょうか?
  Babe RuthがMLBデビューしたのは約100年前の1914年、所属チームはBoston Red Sox。最初の4年間は主にピッチャーとして活躍しました。(2勝、18勝、23勝、24勝)1918年に本格的二刀流として13勝、11本塁打を記録、現在でも唯一同年度での10勝以上、10本塁打以上の記録となっています。ただし二刀流として活躍したのは実質この1年間だけです。この数字は今の大谷選手でしたらクリアできると思います。今では平凡な本塁打数に思えますが、この11本塁打はなんと Ruth初の本塁打王のタイトルです。当時のボールはデッドボールと称される無茶苦茶飛ばないボールだったのです。翌年から本格的に野手に転向し29本塁打を放っていますが、この本数は当時としては驚異的なMLB記録でした。(シーズン二桁打てば相当なスラッガー)その翌年、New York Yankeesに移籍してからは完全に野手となり、不世出のホームランバッターとしての道を歩みます。同年の54本塁打は2位の19本を約3倍の差で突き放す圧倒的な本数でした。その後本塁打を打ち続けシーズン60本塁打、通算714本塁打の記録を残しました。この記録は後に破られますが、前述のボール、当時の球場は現在よりサイズが大きい点、試合数が少なかった点、ドーピングが無かったと思われる事を考えると今でも伝説的な記録であると評価されています。なによりホームランという派手で豪快なパフォーマンスにより、MLBを圧倒的人気スポーツ、国技に押し上げた立役者であったのには間違いありません。
  Shohei Ohtaniが挑戦している二刀流は100年にわたるMLBの歴史の中でもRuth一人しか成し得ていない(しかも1年間のみ)事です。挑戦した選手もいません。「not from this planet」として扱い、野球の神様Ruthと比較すべきではないでしょう。デビューして1ヶ月、2勝、3本塁打は出来過ぎ感がありますが、このまま二刀流を続け、オールスターゲームに選出、HRダービーに出場、本番では代打で打席に立ちその後ピッチャーでマウンドに上がる姿を想像してしまいます。もちろんチームはワールドシリーズ進出、先発投手、DHでフル出場の大活躍、「Unbelievable Sho time!」を観てみたいですね。
 
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