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<春夏秋冬>

発行日2002/03/10
外旭川病院  三浦進一
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1000の風にのせて
 
 時は流れ、人は去り逝く。誰にでもいつか訪れる最愛の人との死別は絶望や深い悲しみをもたらし、心を空しくさせます。自分にもいつかそういう時が来ることを覚悟しなければならない年になりました。今は、逝くことについては「生まれ変わって何か大事をなさなければならない使命があるのではないか。」とか、「魂は永遠に我々のそばに残っており、我々を見守ってくれている。」と感じるようになり、気持ちが楽になりました。そして、自分は生きがいにつながる仕事や趣味を持ち続けることで、なるべく長く健康寿命を維持し、生涯を全うしたいと思っています。
 ここに、作者不明の「1000の風」という英文の詩の邦訳を紹介します。小さな本ですが(971円)、きれいな写真と一緒に載っています。作家の柳田邦男氏が秋田で講演された時、大空の雲の写真を何枚かスライドで大きくスクリーンに映し、マスカー二のオペラ「カバレリアルスティカーナ」の間奏曲を流しながら、朗読してくださったものです。


                          1000の風

                私の墓石の前に立って涙を流さないでください。
                私はそこにはいません。眠ってなんかいません。
                私は1000の風になって吹き抜けています。
                私はダイアモンドのように雪の上で輝いています。

                私は陽の光になって熟した穀物にふりそそいでいます。
                秋にはやさしい雨になります。

                朝の静けさのなかであなたが目ざめるとき
                私はすばやい流れとなって駆けあがり
                鳥たちを空でくるくる舞わせています。
                夜は星になり、私は、そっと光っています。

                どうか、その墓石の前で泣かないでください。
                私はそこにはいません。私は死んでないのです。

                         (訳:南風 椎「あとに残された人へ1000の風」三五館)
 
 春夏秋冬 <1000の風にのせて> から