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<春夏秋冬>

発行日2012/02/10
御所野ひかりクリニック  勝田 光明
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7 Emirates
 
 エミレーツといえばアラブ首長国連邦エミレーツ航空を思い出す。航空会社ランキングでも1位をとる世界屈指の航空会社である。エミレーツは首長国という意味らしい。
 アラブ首長国連邦は7つの王国(アブダビ、ドバイ、シャールジャ、アジュマーン、ウンム・アル=カイワイン、フジャイラ、ラアス・アル=ハイマ)から成り立っている。
 ドバイは最近観光スポットとして日本だけでなく世界中で注目されている。映画でもトムクルーズ主演の最新作ミッションインポッシブルの舞台にもなった。かつては、わずかな産業しかなかったアラブが1960年頃に石油を発掘して以来、目まぐるしい発展をしてきた。しかし石油が取れているのは90%以上がアブダビである。ドバイはほとんど石油が取れず、本来有名になる要素はなかったようだ。ではなぜ世界的で最も金持ちの国として有名になったのか?
 ドバイ国王はビジネスマンである。もちろんエミレーツ航空、世界で最も高い建築物824mブルジュドバイ、その他世界最大のショッピングモールもすべてドバイ国王のものである。これだけでは、ただの成金国王になってしまう。しかしドバイ国王のすごいところは、国民全体を豊かにさせるように努めたことだ。税金なし、医療費は無料、学費も大学まで無料、電気料金も最大3000円程度とのことだ。結婚式のお祝いとして、プール付きの一軒家をプレゼント、祝福金として100万円程度が支給されるらしい。ドバイ国民は公務員となり、初任給が30万円/月であるが、半年後には45万円/月、その半年後に100万円になった。しかもそれがドバイショックの時期であったことに驚かされた。
 7年前に前代のアブダビ国王が亡くなって、息子が国王を継承した。新国王もまたビジネスマンになった。アラブの石油はあと200年で枯渇してしまう。その前にビジネスで国を豊かにし、自分の子孫と国民を豊かに保ちたいと願ったためである。2030年にはドバイを抜いてアブダビが経済の中心になるべく、インフラ整備を行っていた。いずれの首長国でも国王は英雄で指導者で、未来を見据えた行動をとり、国民のことをよく考えている。
 日本では様々な問題が山積していることは言うまでもない。
 以上が、エジプト人バスガイド(7か国語を話す)がアブダビからドバイまでのバスの中で語ってくれた内容である。
 自分だけでなく周囲の人を幸せにしようとする意志が世界で最も住みたい国になったのだと思う。日本も戦後、目まぐるしい速度で発展してきました。先人に恥じないよう今度は我々が200年先とは言わないまでも、住みよい日本になるように努力する時期に来ているのかもしれない。           
 
 春夏秋冬 <7 Emirates> から