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<春夏秋冬>

発行日2012/01/10
秋田組合総合病院  木村 愛彦
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人生初入院
 
あけましておめでとうございます。災害や大事故などない平和な年であることを願っています。
 さて、普段全く気を払っていないにも関わらず、いままで健康には絶対的な自信を持っていた。毎年のドックでも今まで要精査となった項目はない。
 ところが、昨秋10月、一年でもっとも晴天率が高いと言われている休日、起床後より下腹部痛に見舞われていた。どうせいつもの飲み過ぎ食い過ぎだろうと思って様子を見ていたが、いっこうに軽快しない。その日は眠れぬ夜を過ごし、翌朝には微熱と粘血便が出たことから「コレはアレだな」と半ば診断に確信を持ちつつ休日の病院に向かった。採血やCTなどを勝手にオーダーしてしらべた結果は思った通りの「大腸憩室炎」で、そのまま入院した。幸い穿孔や腹膜炎の所見はなく、約1週間の保存的治療で軽快退院した。まあ大したことはなかった訳で、もっと大きな病気やケガで苦労された会員の方も多いと思う。実際、編集委員の中にも生死の境をさまよった方々もいらっしゃる。しかし自分にとってはこれが人生初入院、病床から見てみると案外今まで気づかなかったことがわかり、貴重な経験となった。
・医者は意外にウザい
 患者さんのところにしょっちゅう顔を出し診に行くのがイイ医者という考えはずっと変わらないが、治療方針や病状がわかる立場だったせいもあり、医師が回診に来るのが少々面倒臭かった。何も回診にきたとてこの腹の痛みが良くなる訳でもないし……などといっては失礼、でもそっと寝かしておいてもらいたいことも多かった。
・看護師さんはみな天使
 それに比べると、看護師さん(女子)はいつ来てもうれしい。点滴交換や検温、血圧測定、小さな心遣いでもなんだかとても気分が良くなる。皆いつもより5割増しくらいでキレイに見えた。そしてみんなとても良く働いていた。病院では患者さんに最も近い存在は看護師さんなのだと改めて思った。みんなありがとう。
・意外に誰も気づかない
 数日たつと、腹痛も軽快し室外に出歩きたくなった。入院したのが勤務している病棟だったため、自分が主治医の患者さんに会うと気恥ずかしい。というわけで、当初真っ黒いサングラスにマスクをかけて出歩いたが、あまりにも異様な出で立ちに周囲から止められた。普通に出かけてフラフラしてみたが、職員の皆さん、案外気づかないものだった。病衣に点滴ぶら下げていると、普段エバッている医師には見えない貧相さだったと思われる。ただ出入りの清掃担当のご婦人には「あらセンセイ、どうしたの?」と見破られた。
 他にも診療する立場では気づかないことが多々あったが、又機会があれば記したい。唐突だが欠勤中に穴を埋めてくれた同僚や部下、手術の延期を快く承諾してくださった患者さんたちに心から感謝申し上げたい。
 
 春夏秋冬 <人生初入院> から