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<ペンリレー>

発行日2023/05/10
工藤胃腸内科クリニック  工藤 由比
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新しい読書スタイル
 
 皆さん本は好きですか? 漫画が好きで小さい頃からたくさんのジャンルを読んだものの、本(一般的な書物)はからっきしダメでした。そんな私も30歳になったころ、出向先の病院で少し時間ができ、読書が好きになりました。あまり早くは読めないのですが、何度も登場人物の名前を読み返し(村上龍さんの半島を出よ、や伊坂幸太郎さんのゴールデンスランバーや戦争もの等登場人物の多い作品など)登場人物像を思い出したり、内容確認をするために章を戻ったりし、昨年くらいまでは1か月に1冊程度の本を読んで楽しんでいました。
 最近では電子書籍なるものが発売され、総務省が2022年8月に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、13歳から69歳の男女1500人に対しアンケートを行った資料によると全体では電子書籍利用率は9.7%。年齢階層別では40代が利用率12.0%ともっとも高く10代は9.2%と低めだが、学生・生徒では11.8%と高い値。50代以降は利用率が大きく下がり、60代では6.9%。就業形態別では学生・生徒以外では専業主婦(夫)がもっとも使っている(11.3%)ようです。何といっても
①欲しいときにいつでもどこでも買える・読める
②本を置くスペースを必要としない
③文字のフォントやサイズを変えて読める
④書き込みをしても消せる
⑤在庫切れにならない
⑥本屋にない書籍も購入できる
⑦読み上げ機能や誌面保存など便利な機能がある
⑧読み放題などのお得なキャンペーンがある
などのメリットがあり、はやりにのって使用してみたものの、電子書籍のページをめくるのがうまくいかなかったり、必要な時に充電が切れていたりでやはり紙の本のほうがいいなと思いました。
 その後数カ月し、主人から「これからは耳の時代だ!」と言われ、何を話しているのか?と思っていましたが、プロのナレーターが朗読した本をアプリで聴けるサービスがあるとのこと。携帯にアプリをダウンロードして移動中や作業中など、いつでもどこでも読書ができ、オフライン再生も可能なので移動中も本が聴けると言っていました。私は耳から聴いた内容が頭に入るものかはなはだ疑問でしたが、「実際やってみるといい」と言われ試しにやってみたところ思いのほか本の情景なども思い描くことができ、スーッと頭に入ってくることに驚きを覚えました。それらは「聴く読書」オーディオブックと言い、何といってもすきま時間にできる便利なサービスです。家事仕事、特に洗濯物をたたむ時やアイロンがけ、料理、一番実力を発揮するのは犬の1~2時間程度の散歩のときは読書がはかどります。ながら聴きしていると本の続きが気になるようになり、気づいたらハマってしまいました。普段書店に行くときは、絶対に自分では読まないだろうなという本も定額制ならいつの間にか聴いています。本を買うときには表紙なども気にして単行本を買い求めていたものですが、本も家にたまるのが嫌で読み終えるとすぐに友人知人に差し上げていた私にとってオーディオブックは本も家にたまりませんし、目も疲れにくいといったメリットもあり本の表紙やデザインなどを見る楽しみを削ったとしても選択したい商品と思いました。私はアマゾンのオーディオブックAudibleを使用していますが、オーディオブックのデメリットとして日常生活音があると本の内容を聞き漏らしてしまうということがあります。これと相性がいいのがAirPodsです。コードレスイヤホンであり、有線と違い携帯とひもで繋がることもないため首回りも自由ですし、家事をしているときに少し離れた場所に携帯を置いておいてもイヤホンから音が出るため音質も保てます。また、家を出るときに接続してしまえば冬の寒い中手を出し携帯を操作することなく散歩始終読書を楽しみながら運動もできるといった一石二鳥に感じる環境ができました。また朗読のスピードも変換でき私は1.85倍速で読書をしております。3.5倍速まで可能なようですが、2倍速でも理解できない状態でしたので、相当な速読ならぬ速聴の訓練が必要と考えます。これらの環境を作ってからは、週1冊のペースで読書が可能となりました。初めの頃は池井戸潤の半沢直樹シリーズを読み終えて、その後は本屋大賞の本を読み続けている状態です。携帯アプリの中にライブラリという機能があり自分の読んだ本がどれなのかわかる状態にありますし、読み終えた本は既読と書かれており再生履歴を見ればどんな本を読んだかがすぐわかります。電車や飛行機などでもオフラインで聴くことができ、よく利用しております。とにかく時間を有効活用できます。デメリットとしては聞いているときに寝てしまうとどこの章まで読んだかがわからなくなると言ったことです。一度寝てしまい本の朗読が最後まで終わってしまった事がありました。その際は読んだ(聴いた)ところまで戻るのに数分の時間を費やしました。
 散歩中に本の中に入りすぎてしまい、ハラハラしたり感動したりして涙が出るような事もあり、はたから見るとただの変な人かもしれませんが、久々に感動した商品に出会い書かせていただきました。ネットの情報によればオーディオブックの利用率は8%程度とのこと。是非試してみてください。
 次回は同じホテルフロア内で開業しているクリニカ・オルトの湊裕子先生にお願いいたします。新しい事にいろいろチャレンジされる先生で楽しい事を見つけることが上手な方、いつも楽しくお話させていただいております。よろしくお願いいたします。
 
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