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<ペンリレー>

発行日2021/10/10
柴田医院  柴田 忍
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滝を見に行く
 
 コロナ禍で県外に出かけなくなってからもう1年半くらいになります。人が密集していなくて、比較的短時間で行けて、ある程度の「非日常」感を味わえるところとして、滝を見に行くことが多くなりました。ここ1年くらいの間、車で日帰りで行った滝をいくつか紹介します。

秋田市周辺
 道川大滝
 大滝山公園にあります。それなりに迫力があり、「公園」と名のつく場所にある滝としては立派なものだと思います。
 伏伸の滝
 岩見川上流、ほとんど道沿いにあります。滝というよりは段差のある清流に近い感じです。
 亀田不動滝(由利本荘市)
 ここで紹介した3つの中では最も見事な滝です。駐車場から5分くらいで見られます。高尾山方面から行くと狭い山道を延々と行くことになるので、7号線からのアクセスがお勧めです。
 
鳥海山周辺
 法体の滝(由利本荘市)・元滝伏流水(にかほ市)
 この二つは定番ともいうべき観光滝ですね。道路は整備され、駐車場から現地までも近く、かつ十分に見応えがあります。訪れたことがある方も多いと思います。
 玉簾の滝(酒田市)・一の滝・二の滝(遊佐町)
 山形県側も高速道路が象潟町まで通っているので比較的短時間で行けます。
玉簾の滝は、駐車場から数分歩くだけで滝壺近くまで行けてしまうお手軽滝ですが、何と言っても落差は山形県でナンバーワンですから迫力は満点です。 一の滝・二の滝は駐車場までの道路がやや狭く、駐車場からも比較的険しい道を歩く必要があります。
 鳥海山周辺の滝は滝壺まで行けるものも多く、観光する滝としてはとてもコストパフォーマンスが良いものが多いという印象です。

森吉山周辺
 桃洞滝(北秋田市)
 これまで紹介してきた滝とはやや次元が異なります。まずアクセスが半端なく大変です。森吉山野生鳥獣センターという施設に駐車してからのスタートになりますが、ここに着くまでには車が交差できない山道を何kmも走らなければなりません。やっと着いたと思うと、今度はそこからブナの森を歩いて滝まで4.2km。片道1時間はかかります。途中の景色はなかなか風情がありますが、とにかく遠い。熊にあってもおかしくない道のりでした。
 とは言え、これだけの時間とエネルギーを費やしてやっと目にすることができるこの滝は、やはりそれだけの価値はあると思わせてくれるものです。実物を見ると、なぜこの滝がこう呼ばれるのか実感できます。滝というよりは、ものすごく大規模な庭園の一角に設えられた岩と流水のアートという感じです。これが自然の産物であるということに驚かされます。
 安の滝(北秋田市)
 かつて日本の滝百選2位に選ばれたこともあるという名瀑です。当然ながら、その秘境度もかなりのものです。まず「安の滝遊歩道入り口」まで車で行くわけですが、道路は途中から未舗装の林道になります。周囲は絶壁と深い森の繰り返しで、対向車が来たらお手上げの極狭道路、ある意味スリル満点です(ちなみにこの道、今年は7月から10月まで通行止めになっているようです)。これを30分ほど走らなければなりません。その後遊歩道入り口から滝まで1.9kmの距離ですが、登りの多い軽登山になるので50分ほどかかります。
 滝本体は実に見事な景観で、落差・横幅・段差・滝壺の迫力などどれを取ってもそのスケールの大きさは別格という印象を受けます。筆者が訪れたのは初夏でしたが、紅葉のシーズンはさらに絶景度が増すでしょう。
 森吉山にはこの他にも小又峡の三階滝、立又渓谷の一ノ滝・二ノ滝・幸兵衛滝など名瀑が目白押しなのですが、ともかく遠い上に秘境度もそれなりですので、日帰りでふらりと行ける筈もなく、未だに見ることができておりません。いずれちゃんと計画を立てて訪れてみたいと考えています。

 日々の仕事に追われていると自分の周囲のことだけに心を奪われてしまいがちですが、今回紹介した滝のように、普段目にすることのない自然の姿を目にすると、自分を含めた人間もまた全てこの営みの中から生まれてきたのだということに改めて思い至らずにはおれません。どれほど便利な世の中になっても、滝というものが人を惹きつけるのは、そういう理由もありそうです。

 次回は高清水医院の高清水一善先生にお願いしました。
 
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