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<ペンリレー>

発行日2021/06/10
市立秋田総合病院  米山 法子
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私の新たな楽しみ
 
 大川先生よりご紹介頂いた、市立病院小児科の米山です。当院では、大川先生のエネルギッシュな指導に憧れ、神経内科を志す研修医の先生が後を絶ちません。小児科も是非後に続きたいと思っております。
 
 10年以上前に、英国の“フットパス”を取り上げたテレビ番組を観ました。フットパスは歩くことを楽しむための道で、いわば公共の散歩道です。英国人は、とにかく歩くことが好きで、1932年制定の歩く権利法に基づいて国中にフットパスが張りめぐらされ、全長は20万Kmにも及ぶのだとか。木々の中の小川に沿った小径を、可愛い花を見ながら歩くテレビの映像にすっかり魅せられ、「いつかフットパスを歩いてみたい!」と思うようになりました。

<憧れのフットパスを歩く>
 半年間ロンドンにいたのは秋から冬でしたので、フットパスを歩くことは叶わず、夏季休暇で訪れた際にリベンジしました。
 見つけたのは、リーダー(ガイドさんのような方)が案内してくれる現地ツアー。日帰りトレッキングから、テントを背負って1週間かけて数十キロ歩くツアーまで様々でしたが、私が選んだのはペンションに滞在し、そこを拠点に近くのフットパスを歩くもの。ツアー初日。テレビで観たシーンを思い浮かべ、ワクワクしながら出発。テレビで観た英国田園風景の道だけではなく、牧場で牛が草を食べている横を、牛の糞をよけながら歩く場所もあれば、柵をよじ登って「アスレチックか?」と勘違いするような場所もありましたが、リーダーさんが方位磁針とフットパスが網の目のように書かれた地図で行先を指示してくれるのは格好よかったし、近くの農場主の方々が猟犬と連れて狩りをしているのはダウントンアビー(ドラマ)のようだったし、一緒に参加していた英国のおじ様が「これ食べてごらん」と摘んでくれた野イチゴは美味しかったし、フットパスを歩く権利を日本人の私も十分満喫しました。調子に乗った私は、最終日にその日の一番長距離のコースに参加し、どんどん強くなる雨の中、ぐちゃぐちゃ道をひたすら歩きました。雨に打たれながら立ったまま食べた昼食のサンドウィッチはびしょびしょで、濡れた段ボールのような味(?)触感(?)がしました。そんな段ボール風味のサンドウィッチも良い経験で、「絶対にまた行く!」と心に誓っております。
<日本を歩く>
 フットパスを歩くことで、40代になって新たにトレッキングが私の趣味に加わり、まだまだ初心者ですが、国内でも歩くようになりました。国内で一番の遠出は長野県上高地。初めての上高地は、登山やトレッキングの先輩である母との二人旅でした。当日は見事な快晴。宿泊した河童橋のホテルを雄々しく聳える穂高連峰を眺めながら出発し、梓川右岸を歩き、第一の目標である明神池に昼近くに到着。静かで澄んだ明神池の水面には明神岳が映り、とても神秘的でした。前半ゆっくりし過ぎたため、徳澤までの後半の木々の中の道は少々急ぎ足。林の中のため周囲の山々はあまり見えませんでしたが、時折林が途切れた所で梓川の綺麗な流れが見え、また、お猿さん数匹に出会うことができました(近くに寄らない、餌を与えないがお約束です)。林を抜けて徳澤の草原と山小屋が見えた時には、心地良い疲れとともに何とも言えない達成感が感じられました。そして、ヘルニアの既往歴がある母が、足の痛みなく一緒に徳澤まで行くことが出来たことは、その達成感をさらに大きなものにしてくれたと思います。「氷壁」の宿徳澤に宿泊して、涸沢キャンプ場で朝日を眺めることが次の目標です。

 「もう少し早くトレッキングを始めていれば、山好きな両親と一緒にたくさん行くことが出来たのに」ということが少々残念ですが、今後は父母からアドバイスをもらいながら、トレッキングを長く楽しんでいきたいと思います。低い山(山でなくてもいいのですが)でも、短時間でも、父母と一緒にトレッキングする機会が持てたらいいのですが、コロナが落ち着かないと難しいですね…。皆様も、体調にご留意ください。
 次回は、この度留学から帰国され、当科で一緒にお仕事をして下さることになった島田俊亮先生にお願いします。
 
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