トップ会長挨拶医師会事業計画活動内容医師会報地域包括ケア介護保険について月間行事予定医療を考える集い学校保健関連

<ペンリレー>

発行日2020/11/10
秋田赤十字病院  石井 透
リストに戻る
秋田県立スケート場
 
  秋田県立スケート場は、秋田市向浜のスポーツゾーンにあるドーム状の建物で、東北でも最大級の屋内スケート場です。建てられてから約50年の歴史があるため、秋田に住んだことのある方なら、一度は訪れたことがあるのではないでしょうか。
  私は小学生時代にバスを乗り継いだりして、夏はプールに冬はスケートにと何度も訪れたことを覚えています。しかし、高校2年の体育の授業でスケート場を訪れたのを最後に30年以上も行くことはありませんでした。
  秋田では、昭和時代半ばまでは、八郎潟や千秋公園のお堀などを天然のスケートリンクとして使用していたそうです。しかし、自然環境の変化で使用できなくなり、県立のスケート場として1971年(昭和46年)に秋田県が現地に開設したものです。
  スケート場内には、1周333mのスピードリンクのトラックがあり、トラックの中に60m×30mのアイスホッケーリンクがあります。
  スケート場としての開場期間は例年10月下旬から翌年の3月中旬までの約5か月間です。今年は10月24日オープン予定です。この原稿が掲載される頃には、既にオープンしていると思います。
  一般の方に開放する一般滑走の時間は、平日は12時から20時まで、土日は9時30分から19時までとなっています。それ以外の早朝や夜にアイスホッケー、フィギュアスケート、スピードスケート、カーリングなどの競技を行う人が利用する競技者用の時間帯が設けられています。
  我が家では数年前より、一家5人全員(私、妻、長女、次女、長男)が競技者用の定期滑走券(いわゆるシーズン券)を購入しています。シーズン中は連日のようにスケート場に出入りしており、スケート場関係者の間では名の知れた一家となっています。
  我が家がスケートを始めたきっかけは、2014年のソチオリンピックに出場する浅田真央さんをテレビで見たことです。当時幼稚園年中であった長女が、真央ちゃんのようにスケートを上手に滑れるようになりたいと言ったので、さっそくスケート場に連れて行きました。難しくて、すぐあきらめると思ったのですが、何度も行くうちにどんどん上達し、楽しくなっていったようです。やがて、スケート教室等に通うようになりました。毎回貸し靴では面倒なので、結局マイシューズを購入して滑ることになりました。連れていく私も、貸し靴がイマイチ合わなかったのと、何回も行くなら靴は買ったほうが安上がりと思い、楽天で9800円のアイスホッケーシューズを購入して付き合うことになりました。
  その後、娘二人は競技のフィギュアスケートを目指すことになり、秋田クリスタルクラブに入会。妻も老後の楽しみを見つけたと言ってフィギュアスケートをやることに。秋田クリスタルクラブは、フィギュアスケートで大会出場を目指すいわゆる競技指向の人の集まりで、コーチは現役のプロスケーターの西村桂先生(プリンススケート所属、元アイスダンス日本代表)が月に2回程度横浜から指導に来ています。
  私と長男は、さすがに羽生結弦選手のような滑りは不可能と思い、フィギュアスケートではなく、アイスホッケーをやることにしました。私はアイスホッケーのルールをほとんど知りませんでしたが、少しでもスケートを上達したかったのと、一般滑走で上手に滑るお父さんは、アイスホッケー経験者のように見えたからでした。長男は幼稚園の年中でジュニアのアイスホッケーチームの秋田ブラックスに入会。そのつてで私は、ダックス・ライノーズという社会人チームに入れてもらいました。
  長男は昨年と今年、U9アイスホッケー東北大会(9歳以下のカテゴリー)に山形県と合同チームで出場しました。私は昨年東北オールドタイマー大会(45歳以上のカテゴリー)の秋田県チームに加わり、初めて大会に出場することができました。私は初心者レベルですが、国体などの競技経験者と一緒に出場できたことは良い思い出になりました。
  私は、子供が生まれたのと現在の病院に異動になってから、趣味であったゴルフをやる時間が全くなくなりました。そのため何かの運動を、と思っていましたが、まさか50歳を過ぎてから、いきなりアイスホッケーのようなスポーツを始めることになるとは思いもしませんでした。アイスホッケーは、試合でも練習でも、常に全力疾走状態でプレーするため、体は数分しか持ちません。普段の練習でもアップルウオッチを装着していますが、運動中のピーク時の心拍数は150を超えます。
  Nature Research社のScientific Reportsという学術雑誌の2017年2月号に筑波大学の正田純一先生が脂肪肝の改善と運動との関連に関する論文発表しています。中年肥満男性に1週間に3回、12週間継続して、①レジスタンス運動45分(いわゆる筋トレメニュー)、②高強度インターバル運動(3分思いっきり自転車を漕ぐ運動を3回、その間に休憩2分の合計13分の運動)、③中等度持続運動(自転車を中等度の強度で40分漕ぐ)。この3つの運動を比較して、運動時間が短時間でも脂肪肝が一番改善したのが②でした。この高強度インターバル運動が、まさしくアイスホッケーの試合や練習時の動きと似ていると感じています。私はアイスホッケーを初めてから、私は体重が3kg減り、20%以上あった体脂肪率が15%程度となり、採血検査の数値が軒並み正常値となりました。
  今年3月中旬に、浅田真央サンクスツアーという浅田真央さんが出演するアイスショーが秋田県立スケート場で予定されていましたが、新型コロナウイルスのため12月に延期となりました。浅田真央さんは、競技スケートは引退しましたが、これまで応援してくれた方がたへの感謝を込めて全国を周るツアーのようです。チケット料金も格安で、みんなに見に来てほしいという真央さん気持ちが伝わってくるものです。あの真央ちゃんが秋田に来る、秋田県立スケート場のリンクを滑る姿を見る、などというのは、おそらく一生に一度のことと思います。チケットは一家5人分確保してあるので、12月上旬に予定されているアイスショーが中止にならないことを祈るばかりです。
  次のペンリレーは大学の同期である立木医院の立木裕先生にお願いしました。
 
 ペンリレー <秋田県立スケート場> から