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<ペンリレー>

発行日2020/03/10
秋田赤十字病院  野口 晋佐
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水中写真の魅力
 
  2007年11月から趣味でダイビングをしています。一昔前ですとダイビングと言えばただただ海中をのんびりと漂いながら水中景観を楽しむのみであった印象ですが、今ではダイビングに水中写真撮影は欠かせないものとなっています。私が始めた頃は私自身水中写真の知識は全くなく、オリンパスのコンパクトデジカメで目の前の魚をただひたすら撮っていました。出来はともかくとにかく楽しくて面白すぎるの一言で、撮った写真をプリントして喜んでいました。しかし、たまたまダイビング雑誌を立ち読みして衝撃を受けました。なんでこんな綺麗な写真が撮れるんだ!?と。改めて自分の写真を見返します。色は出ていないし、ピントが合っておらずブレブレなどとても人様に見せられるようなものではない、もっともっと上手になりたいと思い本格的に取り組みました。キヤノンのデジタル一眼レフや専用の水中カメラ機材を買い揃え、いろいろな人に教えてもらったり、自分なりに試行錯誤しながらやりました。写真が上手くなるにはカメラの知識はもちろんですが、しっかりとしたダイビングスキルも要求されます。水中写真は楽しいですが一歩間違えば命に関わることがあります。今ではかなり慣れたとはいえ毎回毎回常に緊張感を持って撮影しています。
  2009年に初めてフォトコンテストに応募しました。当然自信は全くなくショップの方から勧められて渋々の応募でした。自分の写真で賞なんか取れるはずがないし、いろいろな方 に見られるのが恥ずかしいと思っていたからです。ビギナー部門にハゼの写真を出したと ころ、なんとまさかのグランプリ受賞でこれをきっかけに積極的に応募するようになりま した。一口に水中写真と言っても様々な撮影法があり、非常に奥が深いです。カメラの設定を変えることで同じ被写体でも全く別の印象の作品になります。今ではいろいろな技を習得しこれまでフォトコンテストでは多数の賞をいただきました。自分の写真が雑誌に掲載されるというのは本当に格別です。またダイビング雑誌から原稿執筆依頼をいただいたり、 旅行会社のホームページや旅行ガイド本に写真を使っていただけるようになりました。写 真は自己満足な部分もありますがやはりいろいろな方に見てもらって喜んでもらえるのが とても嬉しいです。秋田では残念ながらダイビング人口はとても少なく、水中写真の話をできる仲間は殆どいないのが悲しいところです。そういった中で以前新聞、テレビ、ラジオなど様々なメディアで紹介していただいた時はありがたかったです。また院内で写真展をやらせていただいた時はとても大きな反響があり驚きました。多くの患者さん、職員の方々にとってはかなり新鮮であったようです。
 今ではSNSの普及により仲間内のみならず世界各国のダイバーの水中写真を見ることができます。純粋に楽しみながら撮影する人もいればプロ顔負けの写真を撮影する人もいたりと様々です。これまで十数か国で撮影をしてきましたが地域によって見れる魚が違ったり、予想外の出会いがあったりと海中は一期一会の世界です。これからも安全第一で楽しんでいきたいと思います。
  次回は当院腎臓内科の佐藤隆太先生にお願いしております。
 
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