検査があるなら検査を受けたい、薬があるなら処方してもらいたいと思うのが、患者さんにとっては当然の事です。 抗生物質や睡眠薬の乱発に国が対策を講じているように、インフルについてもそろそろ方策を示す時がきてるんじゃないかと思います。国の方策の前に我々医療者個人と病院、医師会、秋田市、秋田県それぞれが考えなければなりません。 あきた東内科クリニック成田先生よりバトンを頂きました。思えば、千葉大学を中退し秋田大学の医学部に入学したのが1995年です。以後20余年この土地にとどまり秋田で医療に関わってきました。良きパートナーと5人の子供にも恵まれました。開業して何ができるかは分かりませんが、子供たちの明るい未来のためにも、これからも秋田の医療に関わっていきたいと切に願っています。 ペンリレーの執筆の依頼を頂き、皆さんの投稿をみていて、自分には仕事以外の何かに没頭する事がなくなっていることに気づきました。高校時代はバスケット、医学部に入学前の大学ではアルバイト、麻雀、バイク、スキー、医学部に入ってからはビリヤードなど・・・。 留年や大事な試験に落ちるほど、いつも本分とは別の何かに没頭していた気がします。 次回執筆する機会があれば趣味についても書けるようになれるといいなあと思いつつ、今は趣味と言えるものが見つからず、最近思うことを徒然に執筆する事にします。
*********************************************** 人生の99%が不幸だとしても、最後の1%が幸せならば、その人の人生は幸せなものに変わる。 私の行いは大河の一滴に過ぎない。でも何もしなければその一滴も生まれないのです。 早く家に帰って、まず家族を大事にしてください。 大切なのはどれだけ沢山のことをしたかではなく、どれだけ心をこめたかです。 人のことをいちいち批判していたら、人を愛することを忘れてしまう。 もし本当に愛したいと願うなら、ゆるすことを知らなければなりません。 あなたたちは、もっと身近なことからはじめたらどうかしら。 愛の反対語は、憎しみではなく、無関心です。もっとも悲惨なことは飢餓でも病気でもない。 自分が誰からも愛されていないと感じることです。 愛は行動を伴うもの。この世の最大の不幸は、貧しさでも病気でもありません。 自分が誰からも必要とされないと感じることです。 世界平和のために何ができるかですって?家に帰って、あなたの家族を愛しなさい。
― マザー・テレサ(1910 ? 1997) ************************************************
自分を振り返る良い機会になりました。 「こう在りたいと思えば思うほど理想が遠くなる現実」 何かを成し遂げるのではなく、ただそこに雑草のように根を伸ばし一所懸命育てば良いはずなのに、何かを求めてしまう。 やや哲学的になってしまいましたが、私の医療への考えが大きく変わった?のは、東日本大震災のあとからかもしれません。 被災後1ヶ月位で家族の了承を得て、大船渡の避難所に入りました。パチンコ屋に大勢の人がいた事、秋田のパチンコ屋さんの店長さん(私の外来患者さん)が、「いいのか悪いのか、震災バブルなんです」と仰っていたことが今でも忘れられません。 相手は自然ですから、医療事故のように再発防止はできません。多くの犠牲の中で我々は何を学んだのでしょうか? あの避難所に必要だったのは温かいお風呂と話し相手でした。 医療は科学でなけばなりませんが、もっと優しさが必要です。抗インフルエンザ薬の説明やインフルエンザの迅速検査より、温かい言葉が必要です。 あのとき不覚にも、「まず生きていれば良いと」思ってしまいました。やはり医師としては適正にかけるのか?と自分を振り返る今日この頃です。 医療にこんなにお金をかけて、我々は幸せを手に入れることができるのでしょうか?
次回は秋田厚生医療センターの齊藤崇先生にお願いします。
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