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<ペンリレー>

発行日2017/04/10
永沢整形外科クリニック  永澤 雄
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ノドクロ釣行記
 
  秋田からそんなに遠くなく日帰りで釣り場に行けて、釣って楽しい食べて美味しい高級魚、それがノドクロ(赤ムツ)だ。
  ノドクロは北陸~山陰が産地として有名なのは知っていたが、恥ずかしながらつい数年前まで秋田県周辺で釣れるのは全く知らなかった。それが関東から転勤で秋田に来られた浅さんと知り合いになりノドクロ釣りに誘われこれほど夢中になるとは思わなかった。
  ノドクロは寿司店や割烹で食べたことはあったがほんの1切れ2切れで、それが今では自分で釣ってたらふく食べられる。誠に究極の贅沢である。
  一番釣れるのは秋田市から車で2時間半くらいの青森県深浦町の風合瀬沖である。深浦は名のとおり海が海岸に近い所で深くなる。秋田であれば港から深海釣りのポイントで2時間近くかけないと行けないが、深浦であれば30分くらいで到着できる。私は以外と思われるかも知れないが船釣り好きのくせにたまに船酔いする。ここにノドクロを釣りに行って幸いなことに船酔いしたことは無く私にとっては優しい釣り場である。
  ノドクロ釣りを計画したのは4年前からだが風合瀬は地名のとおり風が合う瀬とのことで船が出れない事も多い。その年は2回予約したが2回とも中止となったので、デビューは3年前となった。初のノドクロ釣りは7月で胸踊らせ意気込んでいったが船中4人で1匹しか釣れず私はもちろんボウズ。外道のテリが2匹かかっただけだった。最初の釣果は1か月後の8月で全体的に型は小さかったが12匹を釣り上げ竿頭だった。その翌年(一昨年)は3回予約したが全て天候に嫌われ行けずじまいだった。同じ釣りを3度予約して行けないというのは他の釣りでは記憶がない。
  ということで昨年は予約を4回に増やし結局6月、7月、9月と3回行けた。そのうち最も良かったのが6月12日で数も釣れたが良型ものが多かった。この日の釣行を振り返ってみたい。
  この日は天気予報が良く2年振りに風合瀬から出船が可能との連絡があり、深夜1時に釣り仲間と私のクリニックの駐車場で待ち合わせて出発。途中の海岸線では月も出て海面を照らしていた。波はおだやかで酔う可能性のある私には優しい海だ。海岸線の明光風媚な景色を眺め北上する。3時半過ぎて漁港に到着。準備をしている間に夜が白み始めてきて船頭さんが到着し4:30分に出船。我々より先に出て行った船が何艘かいて沖合は2年前に比べて一見して船が多い。周囲の漁港の船も風合瀬沖に来ているとのこと。SNS等で情報が広がって風合瀬がノドクロの好ポイントなのが知れ渡り釣り船が集まるようになったそうだ。
  船が沖まで走っている途中にタックル(ロッドとリール)を竿受けにセットしておく。道糸に仕掛けをつないで200号の錘を付け、胴付きの4本釣りにサバの短冊とホタルイカを付けて準備しているうちにポイントに到着する。船頭さんの合図とともに仕掛けを投入し150mの海底で魚の当たりを待つ。4、5分すると早くも当たりが来て竿先が小きざみに動く。竿を手持ちに代えて待っていると大きな当たりが来たところで竿を動かして合わせるとノドクロの当たりが手に伝わりしっかり掛かっているようだ。錘を底に着けて次の当たりを待つ。間もなく先程と同じ感じの当たりがあり合わせると掛かった感覚が伝わって来る。手答えが結構あり型が良さそうだ。リールを手動で少し巻いてから電動に切り換えて仕掛けを巻き上げた。ノドクロは空気袋がないため水圧の変化に強く、水面近くまでずっと元気で引きがあり楽しい釣りだ。海面近くまで上って来ると水面下にオレンジがかかった赤い魚体が見えて来る。2年振りのノドクロだ!仕掛けに2匹ついている。タモですくって船に上げ今日の初の釣果2匹ゲット。1キロクラスの大物だ(写真を参照)。その時の気分はどうかって?写真から察して下さい。
  その後も釣り場を移動しながら釣果を増していき計12匹のノドクロを釣り上げることができとても満足であった。他のメンバーは浅さん20匹、相さん17匹、田さん16匹で四人で65匹の大漁であった。大物賞は田さんの1.4㎏であった。こんなに釣れたら風合瀬のノドクロはいなくなってしまうと心配したが神様はちゃんと釣れない日も用意してくれている。魚の活性が低くて全く当たりのない日やサメが出て、釣りにならない日もある。
  いつもお願いしている船道さんは私みたいなノドクロ釣りの初心者には色々教えてくれてとても優しい。ノドクロは何匹か集まっていることが多いそうで1匹掛かると側にいる仲間が寄ってきて掛かってくる可能性が高く、少し糸を出して待っているとよいとのことだ。しかし2匹目を待っているうちに最初のノドクロが針からはずれて逃げることもあり、結局2匹どころか1匹も掛かっていないこともある。魚の活性が低く当たりが余りない日は1匹々々大事に釣っていったほうが好いようだ。仕掛けはいつも胴付きで釣っているが、天秤仕掛けの方が潮の流れによってはノドクロのいる層に複数の釣を置くことができるようなので試してみたい。
  今年の目標は1.5㎏クラスの超大物を釣ることである。売るつもりではないが、ちなみに1㎏を越えると市場価格は㎏1万円とのことである。最悪でも、自己記録の更新をしたいと思っている。
  ノドクロは釣った後も楽しみが大きい。定番は焼霜造りで三枚におろして棘抜きで小骨を取ってから皮をガスバーナーで軽く焼くと皮目がおいしい。焼き物はそのまま焼いていたが昨年割烹で一夜干しを食べたところ水分が抜けて旨味が凝縮しており美味しかった。今まで時間がなかったり、天候の具合で干せなかったりしたが今年はチャレンジしてみたい。
  次は昔お世話になった土崎レディースクリニックの松浦亨先生にお願いしました。何と学生時代は自転車で男鹿まで釣りに行ったという伝説の釣り師です。先生の釣行記、楽しみです。
 
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