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<ペンリレー>

発行日2014/08/10
市立秋田総合病院  小泉 ひろみ
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スペイン語修行中(おそらく一生)
 
 東京女子医大の大先輩の秋山まり子先生から、「日本女医会のことを書いてね」と言われて、「はい」と引き受けましたものの、私が秋山先生から日本女医会秋田県支部会長を引き継ぎましたのは昨年のことで、そこからあわてて全国の総会に出てみたりという、これも修行中の身ですので、まだ書くことがない状態です。秋山先輩には大変申し訳ないのですが、女医会の方は数年後に書くこととしまして、今回は私の日常から書くことにいたします。
 私の父(故小泉林)は、語学勉強ファンでした。「ラジオフランス語講座」「テレビフランス語講座」等を晩年までやっておりました。毎年やっていたら、もうペラペラかというと、毎年abcから始めているような感じでした。それを笑って見ていた私も、今スペイン語に同じ状態です。毎年4月―9月はそれなりに聞くのですが、10月―3月はついつい多忙でおろそかになり、また4月に1から始めるといった感じです。そもそも、何故スペイン語かですが、私も学生時代にはアテネフレンセに通ってみたりして、まずはフランス語をやってみておりました。ところが、フランス人とのハーフ(ダブル?)の甥が小学生の頃に、叔母である私の発音に「てんでダメ」を出してよこしたのでした。それ以来、絶対フランス語は学ばないと決心しました(甥の名誉のために弁解すると、今やとっても良い大人になりました)。スペイン語ですが、ゲバラの若い頃(医学生だったのは有名ですね)を題材にした「モーターサイクルダイアリー」という映画がありました。この映画の中で彼が自分の民族としてのルーツをマチュピチュで感じるというシーンがあります。これを見て「中南米に行ってみたい」と思いました。その後、市立病院の小児科病棟で一緒に働いていた看護師さんが、JICAの仕事でグアテマラに行くことになりました。送別会の席で「遊びに行くよ」と言ったところ、「皆そう言うけど来ないですよね」と。そりゃ行くしかないでしょ、というタイプです、私。ところが、グアテマラってすごく治安が悪い国の1つです。グアテマラに行って彼女と会えない場合に「私は日本人だ。〇〇さんに会いたい。」とか「助けて」くらいはスペイン語で言えるようにならんとまずかろうと思って、スペイン語の勉強を始めました。今やああなってしまったNOVAに「お茶の間留学」というのがありそれを受講したのですが、NOVAのスペイン語講座にはテキストがなく講師も少なくて、結構大変でした。間もなくNOVAで勉強できなくなったのは、周知のとおりです。グアテマラに行く前にということで、おそらく国として安全だろうという予想から、まずはペルーに行きました。ペルーはまるでディズニーランドのようなところで、何もかもが観光客向けでした。ガイドさんから聞くと、一部の富裕層が今も国を支配しているようで、あの素敵な風景や人々のシンプルな暮らしぶりは、富裕層が外国からの観光客用に守っているようでした。さてその翌年、無事グアテマラに行ってきました。インカよりさらに古いマヤ文明に触れたり、彼女の仕事について行ったり、現地のお医者さんの仕事も少しだけ見てきましたが、紙面の都合で割愛します。スペイン語ですがこのように細々勉強を続け、その後キューバに「ゲバラのお墓詣り」に行きました。ゲバラのadmirerというわけではないのですが、「ゲバラの旅」を閉めるにはそれもいいかなと思いました。キューバも行ってみるべき国でした。社会主義国のイメージとはまったく違う、でもカリブの他の国ともやっぱりちょっと違う国でした。よくこんな小さな国が、アメリカのお膝元で社会主義をはっていられるなーという感じでしたが、ある意味で肩の力が抜けたいい感じの国でした。今でもついつい「モヒート」を注文してしまいます、ヘミングウェイ気分で。
 さてさて、スペイン語学習の話でしたが、ついつい旅行のお話になってしまいました。外国旅行も好きなので、どこの国に行くにもできるだけ挨拶くらいの言葉は覚えたいと思っています。その国の方とちょっと言葉を交わすと、ちょっとした表情を交わしてくださいますので。最近、アイフォンやアイパッドに「指さし〇〇語」シリーズのアプリをダウンロードしましたので、これからは外国でのコミュニケーションが楽になります。もともと同名のシリーズ本がありましたが、このアプリは指さすと発音もしてくれる優れものです。ちなみにGoogle Mapsも外国ですごーく便利で助かりましたが、その分現地の方と苦労してコミュニケーションをとらなくなり、ちょっと寂しいかもしれませんね。
 というわけで、私のスペイン語修行はまだまだ続きます。茶道の言葉に「稽古とは一より習ひ十を知り、十よりかへるもとのその一」というのがありますが、私のスペイン語は1→2、1→2です。友人からの一言「あんたは、昔から日本語も結構聞き間違えるからいいんじゃないの?」を心の支えに続けていきたいと思っています。将来はスペインのサラマンカ大学へ語学留学したいというのが夢です。町の広場で夕方からお酒を飲みながら通りを歩く人たちを眺めて(夢想中)。
 次回のペンリレーですが、私の若い同僚でイギリスで勉強してきたばかりの米山法子先生にお渡しします。
 
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