ペンリレーはこれが2回目の執筆である。1回目のタイトルは日赤赴任時(2003年)のマンハッタンの思い出苦闘篇だった。じゃあ、2回目は旅行篇とでもいきたいところであるが、アメリカ留学(2001年帰国)から時間がたち過ぎた。新鮮味に欠けるので違う内容にする。この文章の執筆はお盆休み期間中に行っている。昨日は北島選手が平泳ぎ2回連続2冠を達成した。今、オリンピック真っ盛りで、テレビをみるたびに中国のものすごい成長に目を見張る。一方、報道番組では中国の環境問題を映し出す。日本も昭和の高度経済成長期には似たような状況だった。小学校6年から中学2年まで、神奈川県横須賀市の追浜に住んでいたが、金沢八景の川沿いを自転車で走ると、いつもきつい化学臭がしており、子供ながら体に良くないと思って、その場を通るときはいつも息を止めて走っていた。追浜湾ではぜ釣りをよくしたが、奇形はぜを何度か釣った。アサリも採ったが、食べた記憶がない。当時の工業国は限られていたが、今や世界中の発展途上国が当時の日本と同じ状況に進みつつある。インドでは大量の農薬が散布され、中国では工場や増え続ける車からの大気汚染が深刻で、どちらも風に乗って近隣諸国に降り注ぐ。では、日本はどうかというと、企業は環境のことを考えてますよと宣伝しながら、いまだに世界の環境破壊に貢献している。世の中は車、パソコン、コンビニ弁当、紙など無数の便利なものに埋め尽くされてしまっている。これらはほとんどが石油をはじめとするエネルギー資源に支えられている。環境に一番良い方法は皆原始人のような生活をすることだろうと思うが、一度便利な生活を覚えてしまうとなかなか後戻りできない。下手をすると国が危うくなる。世の中の仕組みは複雑にからみ合っており、環境に善かれとした政策により、損を被る人も出てくることもある。しかし、現在の世界の環境情勢はかなり危ういところに向かいつつある。本来の意味でやばいだろう。日赤在職中に毎月経営収支報告書を見せてもらっていつも驚いていたのは、電気代やボイラー代が半端な額じゃないことだった。病院一つ(大病院だが)をとってみても膨大なエネルギーを消費している。今年の4月に開業したが、開業前に一番悩んだのが、融雪をどうするかということ。次に冬の暖房、夏の冷房。融雪や冷暖房の使用にはすべてエネルギーの消費がつきまとうが、すべてカットしたら営業は成り立たず、その結果、生活できなくなってしまう。そして、開業したものの莫大な借金だけが残ってしまう。地球に対するせめての罪滅ぼしをするには?融雪方法には一般に石油ボイラー使用によるものと電気ヒーター使用によるものに大別されるが、前者は排気ガスや臭気の問題、後者はコスト高の間題がある。また、電気も元を辿れば石油か石炭の化石燃料だ。そんなわけで、井戸を掘って地下水で融雪することにした(お金はかかったが)。川が近いせいか幸い水脈の深度には間題がなかった。暖房に関しては、11月頃までは太陽の力を借りて、窓を高くして日当たりを良くして床への蓄熱を利用する。また、高気密高断熱構造なので、冷蔵庫などの排熱も利用できる(逆に夏はものすごく室温が上昇する)。夏の冷房については、予算の都合上まだ有効な対策がなされておらず、今は不要なときはマメにクーラーをオフにし、2階はなるべくクーラーを使わずに、窓を開けている。将来は、太陽光発電ができればいいなと思っている。ドイツでは家庭での太陽光発電による電気を高く買い取ってくれるので、太陽光発電の普及率が高く、関連した環境ビジネスも成功している。これはドイツ政府主導で行われており、日本政府も政権争いばかりやっていないで、こういったことを見習うべきであり、早く対策を講じて欲しい。日本の将来がかかっているのだから。からみ合った糸も根気よくほどいていけば、いつか真直ぐな糸になる。できることは僅かだが、環境に良いことはこつこつ積み重ねていきたい。
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