秋田市医師会長の松岡一志です。 秋田市医師会は会員数626名(うち開業会員229名、勤務医会員397名、うち研修医40名)で構成されており、昨年に比べると全体として若返り会員数も増えました。これは研修医の先生が多数入会してくれたことによるものです。会員は日常診療はもとより、各種健(検)診(一般健診、特定健診、がん検診など)、予防接種事業、学校医活動などを主要な業務としております。また、各種委員会委員や医療相談会相談員、講演会講師などにも多数の会員が活動しております。秋田市医師会立秋田看護学校、秋田市医師会立訪問看護ステーションを運営し、看護師養成や在宅医療の支援を行っております。また地域産業保健センターでは無料健康相談・指導などを行っております。 現在、国は昭和22年から24年生まれのいわゆる団塊の世代が後期高齢者になる2025年に向けて、「高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう」地域包括ケアシステムの構築を推進しています。 秋田市医師会では、超高齢社会を取り巻く地域の医療や介護の課題を踏まえ、本年度、秋田市からの委託を受け、当医師会内に「秋田市在宅医療・介護連携センター」を設置し、来年1月の本格稼働に向けて準備中です。市内の医療機関や介護施設、また関係する団体間の情報共有の仕組みづくりなどを行って地域包括ケアシステムの一部を担っていくこととしています。 さて、秋田県地域医療構想によりますと、2025年には県内の65歳以上の高齢者の総人口に対する割合が約40%に達すると見込まれ、秋田市周辺地域でも約37%に達する見込みです。 一方、医療の提供体制は、この先、人口減少や医療資源の有効活用が図られることを加味し、本県全体では、患者さんの大きな流出入はないと推計されております。ただしこれは、高齢化や過疎化などによって医療機関での受診が困難となる高齢者対策として、病床機能の分化のほか、在宅医療へのシフトを見込んだ結果であり、今後、必要な医療を過不足なく提供するためには、特に慢性期の患者さんは在宅医療に頼らざるを得なくなるということを意味します。 市民の皆様ができるだけ住み慣れた地域で、安心して暮らしていくためには、地域包括ケアシステムの確立が不可欠であり、医療と介護の連携体制づくりが急務だと認識しておりますが、在宅医療・介護の需要に対して供給が不足しているのも事実であります。今後、団塊の世代はもとより、その次の世代であっても、人生の終末期は覚悟を持って生きていく必要があると考えております。 市民の皆様には、在宅医療や介護に取り組まれている方も多数いらっしゃることと思います。在宅医療や介護は当事者にならなければなかなか実際を理解することが難しいものです。 秋田市医師会では市民向けの在宅医療や介護に関する講演会などを催していく予定です。また「医療を考える集い」には毎年多数の市民の方に参加いただいており、市民の皆様から貴重なご意見を頂戴しております。 ご意見・ご要望・ご提言等ございましたら、当医師会事務局までご連絡いただければ幸いです。 (平成30年12月25日)
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